~情報収集に使える!CiNiiだけじゃない!~国立情報学研究所(Nii)の各学術コンテンツの特徴について
こんにちは。絆創膏です。
大学図書館司書採用試験に向け勉強中ですが、電子ジャーナルや論文の検索サイトやデータベースが多すぎてわけわからん!って感じになったので、まとめてみることにしました。
今回は、国立情報学研究所(NII)の検索サイト、データベースについてまとめます。
1.論文情報
- Nii‐REO(OJA:電子ジャーナルアーカイブ)
日本の大学等教育研究機関が対象。
特徴は、①大学等が契約する電子ジャーナルコンテンツの安定的・継続的なアクセスの提供、②Nii-REOに搭載された各出版社の電子ジャーナル等コンテンツの横断検索が可能(大学対出版社だとそれぞれの出版社のデータベースを検索しなければならないわけだが、国立情報学研究所と協力することで横断検索が可能に)、③書誌・抄録まではフリーアクセス(本文の閲覧は出版社との購読契約が必要など。
ちなみに搭載コンテンツについては、大学コンソーシアムと各出版社、国立情報学研究所の協議、契約により決定。
- Nii-REO(HSS(人文社会科学系電子コレクションアーカイブシステム))
取り扱っている内容は、人文社会科学分野における研究活動に不可欠な文書、報告書、図書等の原資料を電子化し、オンラインで利用可能としたコレクション。
国立情報学研究所と大学図書館コンソーシアムとで共同導入し、NII-REOに搭載・提供するもの。
利用には、所属機関による契約が必要。
- CiNii Articles
取り扱っている内容は、学協会刊行物・大学研究紀要・国立国会図書館の雑誌記事索引データベースなどの学術論文情報。
様々なデータベースと連携することで、膨大な論文情報を検索可能。主なデータベースは国立国会図書館の雑誌記事索引データベースやNDLデジタルコレクション、大学等の機関リポジトリ、科学技術振興機構のJ-STAGE等。このため、論文本文に到達しやすい。
検索した論文について、参考文献と被引用文献が表示されるため、引用関係をたどることが可能。
- CiNii Dissertations
博士論文の情報を検索できるサービス。登録なしで利用可能。
収録データベースはNDL ONLINE、NDLデジタルコレクション、機関リポジトリ。
2.機関発信情報
- IRDB(学術機関リポジトリデータベース)
日本国内の学術機関リポジトリに登録されたコンテンツのメタデータを収集し、提供するデータベース・サービス。
提供・公開先はCiNii、NDL Search、医中誌Web等。
※日本国内の学術機関リポジトリに蓄積された学術情報(学術雑誌論文、学位論文、研究紀要、研究報告書等)を横断的に検索できた検索サイトである「JAIRO」は2019年3月に閉鎖し、これに統合された。機関リポジトリ環境提供サービスである「JAIRO Cloud」は健在(2019年10月現在)。
3.図書・雑誌情報
- CiNii Books
全国の大学図書館等が所蔵する本(図書や雑誌等)の情報を検索できるサービス。
国立情報学研究所が運用する目録所在情報サービス(NACSIS-CAT)に蓄積されてきた全国の大学図書館等約1200館が所蔵する、約1,000万件(のべ1億冊以上)の本の情報や、約150万件の著者の情報を検索することが可能。
利用登録必要なし。
雑誌のページから各大学図書館OPACに直接リンクしているため、すぐに借りられるか等の詳細な情報を確認できる。
CiNii Articlesに本文が収録されていれば、リンクをたどり本文まで表示できる。
元になるデータは、NACSIS-CAT/ILL(目録所在情報サービス) を通じて、全国の大学図書館等が共同作成している。
4.専門学術情報
- Nii-DBR(学術研究データベースリポジトリ)
国内の学会、研究者、図書館等が作成している様々な専門分野のデータベースを検索できるうえ、複数のデータベースを同時に検索することもできる。
平成26年時点で、データベース数は30、レコード件数は約250万件。
https://dbr.nii.ac.jp/infolib/meta_pub/G9200001CROSS
5.研究情報
- KAKEN(科学研究費助成事業データベース)
文部科学省および日本学術振興会が実施する科学研究費助成事業により行われた研究の当初採択時のデータ(採択課題)、研究成果の概要(研究実施状況報告書、研究実績報告書、研究成果報告書概要)、研究成果報告書及び自己評価報告書を収録したデータベース。
いやーいっぱいありますねぇ。ちなみに「平成29年度SINET・学術情報基盤サービス説明会」のスライドで、学術コンテンツサービスの現状が図で示されていて分かりやすかったです。
https://www.nii.ac.jp/service/upload/8_setsumeikai2017_contents_20171020.pdf
個人的には、「KAKEN」で、アラビアンナイトについての本を書いている国立民族学博物館の西尾哲夫教授の最新の研究が読めたことにテンション上がりました。情報収集の手段がわかると、趣味にもプラスになりそうですね。